冷戦の悪夢

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19XX年2月14日のTS通信によれば、S国RT国共和国の首都VRから西100キロほどの町MAで、HS型原爆の約5倍の原爆が爆発、市民20万人以上が死傷し、周辺地域には死の灰が降りそそぎ、住民には避難勧告が出された。さらに、RT国・RB国・ST国の3国には戒厳令が敷かれた模様だ。S国のB書記長は我が国の調査によれば、これはA国軍内と諜報部内の反動分子が、S国を戦争に引き込むために行なった卑劣な奇襲攻撃である。A国大統領が48時間以内に犯人を引き渡さなければ、S国は自国防衛のための懲罰行動に出る。またA国がさらに核兵器を使用するならば、我が国も核兵器使用を辞さないと述べた。これに対して就任間もないA国のR大統領はS国の主張するような事実はなく、これはS国による自作自演である。S国はAF国侵攻以来、多大な損害を出しているが、軍事的目的は達成できておらず、軍部に閉塞感が漂っていた。その解消のためにS国が何らかの軍事行動を起こすのならば、A国も軍事力行使をためらう理由はないとB書記長を牽制した。A国政府スポークスマンはS国及びWS条約機構加盟国内では、軍用無線使用頻度が急増し、また部隊の移動も増えている。東側の動員開始は、誠に遺憾である。NATとしても対抗処置を取らざるを得ないとし、NAT諸国のデフコン(警戒レベル)を5から2に引き上げる声明を出した。その1時間後、PO国及びED国駐留のS国軍が、WD国国境に向かって進撃を開始した。

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