奮闘日記

マルカーノの奮闘記『兄貴と愉快(不快?)な仲間達』

第7ステージ「ロードオブ・ザ・兄貴 ~復活への試練~」 2003/08/29

 前回のあらすじ
 モンスターの数がだいぶん増えて、一回も戦闘に参加していないモンスターや、部隊に編成されたことがないモンスターが増えてきた。そこでオイラは昇格戦を実施。有用性の高いモンスターを一軍、新入りモンスターや今まで一軍で無駄飯食っていたモンスターを二軍として、二軍のモンスターだけで『フェアリーの島』をプレイ。そのマップで活躍した五体を一軍に送り込みます。
 そうしてできた一軍は主に侵攻用部隊、二軍は既にクリアしたマップで戦略実験やアイテム探し、それからレベル上げです。
 さてさて、一軍のモンスター達、活躍できるのでしょうか。

 兄貴が最近、前線に出ていない。ふと、そう思ったある日の昼下がり。
 オイラは緩慢な動作で椅子から立ち上がり、大きく嘆息をついて、ディスプレイの中で『転送』に専念している兄貴を一瞥した。
 兄貴は相変わらず、短パンスタイルで戦場に立っている。だが、どこか違う。オイラにはそれが感じられた。なにが違うのかといわれれば説明できないが……そう、この感覚は砂糖と塩の関係にも似ている気がする。
「懐かしいな。あの日が……」
 オイラは胸ポケットから、両切りのピースを取り出した………。

 かーっ、ペッ!
 ちょっと格好良く決めてみましたが、自分で自分に対して虫唾がはしりました。
 でもまぁ、実はその通り、最近の兄貴は前線に立っていないのです。
 まだ『ブレイドマスター』達が『ファイター』だった頃は、兄貴も前線で果敢に殴りあっていたのですが、『大魔法』を覚え出してからは、その便利さに負けてしまい、転送と大魔法の後方支援ばかり……『デスト』はMP消費が100だけども、その分確実に大ダメージを与える事ができるし、『アクション』を使えば、APが回復するし……いや、こんな事で良いのか兄貴っ? よくねぇ! そうだ! こんなんじゃ駄目なんだ!
 ここは兄貴に試練が必要だ!
 そう思い立ったオイラはついに、兄貴に試練を与えました。お供はファイター二体だけで大魔法使用禁止という条件をアニキに与え、マップを攻略させるのです。
 当然、最近出た難易度の高いマップや、敵マスターがいるマップはクリア不可能です。今の兄貴のレベルは17ですので、『拠点レベル』11の『ブラウドの森』辺りが適度そうです。オイラは森の木の陰から、ア○コ姉ちゃんのように、こっそりと見守ることにでもします。
 この試練を打破した先には、きっと自信を取り戻した兄貴がいます。大魔法なんかに頼らない兄貴がいます!
 それでは、それを信じて……進行開始!

 初期位置で兄貴はさっそくファイターを二体だけ転送。……寂しい。寂しすぎる……。
 兄貴達、分散してはさすがに袋叩きにあいます。ここは三人仲良く並びながら進軍して、まずは手頃な『キラービー』の集団と『アースギガント』達のところに向かいました。
 ここぞとばかりに兄貴が先陣を切って攻撃っ! おぉ、一撃でキラービーの体力は四分の一にまで減っています。そうそう、最近使っていないから分からないだけで、本当は兄貴の戦闘能力、高いんですよ。しかもこっちは三体です。目論見どおり、敵に囲まれて集中攻撃を受けることは無く、キラービーの集団を蹴散らしました。
 その後、近い位置にいる第二のキラービー集団と遭遇しましたが、これは問題になりません。アースギガントがいない分、さっきより楽です。これも、ちょちょいと片付けました。
 しかし、これではいけない……こんなにあっさり勝っていては、試練の意味がありません。ここでファイターを一体そこに残して、戦闘から外すことにしました。

 一体減って、兄貴とファイターの二人だけになると、見た目にも寂しくなっています。
 しかし、兄貴復活の道には、これくらいの厳しさと寂しさが必要なのです。
 兄貴とファイターは、さっそく次の標的、第三のキラービー集団と『ピポグリフォ』に向かいました。
 だけれども、敵に近づくタイミングが良かったのか、一番の難敵と思われるピポグリフォを、ノーダメージで倒しました。いけます、これならいけます!
 敵の攻撃を受けて、やや体力は減らされたものの、兄貴達はこれも退けました。
 さぁ、やはり予想されていたでしょうか? そうです。こうくれば、次はいよいよ兄貴を一人にするしかありません。
 この先待ち受ける敵は、アースギガントが三体にピポグリフォ一体……一人で戦うにはどちらも強敵です。アースギガントの攻撃で『昏倒』の状態に陥ったら、数ターンはなにもできませんから、そこで敗戦は確定でしょう。
 それでも兄貴は行く。赤い夕日を背にして………兄貴ー! 兄貴、カンバァーック!
 違う、違う、叫んでくれる少年はいませんし、まだ戦闘が終了したわけでもないです。

 まごまごしていても、いつかは突っ込むんです。兄貴は単身敵陣に突っ込みました。
 さっそく迎え撃ってきたのが、アースギガント二体。しかし敵は『AP』が少ないので、足が遅いです。ここはうまく移動して、ゆったりと一体ずつ戦うことができました。何発か敵の攻撃を受けましたが、この二体は見事撃破しました。
 そして、ここで出てきた最後の敵、アースギガント一体とピポグリフォ一体。もう逃げるわけにはいきません。ただ殴りあうのみ!
 おぉ、兄貴、なかなかの健闘を見せています。なんとこの二体を同時に相手にしながら、互角の戦いを見せています。
 と、ここでピポグリフォの強烈な一撃が兄貴を襲いました! 三桁のダメージを受けて、兄貴ピンチ!
 しかし、兄貴も負けてはいません。次のターンの攻撃で、アースギガントを撃破! 単純に計算して、これで受けるダメージは半減です。いける、いけます!
 そしてピポグリフォとの壮絶な殴り合い! お互い決定打の出ない死闘が続きます! 叩け、叩け、叩けえぇぇぇぇぇ!
 しかし、ついに片方が大地に倒れました。その時、両足でしっかりと大地を踏みしめていたのは……兄貴! ついに……ついにやりました! 兄貴が勝ったのです! 兄貴、完全復活です!

 いちにぃさんしぃ、やったぜ兄貴!
 残念ながらレベルアップはなかったものの、今回の戦闘に勝利できたことは大きいですよ。まだまだ兄貴も、十分前線で戦うことができると判明しました!
 さぁ、2003年度カムバック賞を受賞した兄貴の不死鳥伝説が、今はじまるのです!

次回につづく・・・・・・・