プロイセンが我がポスポリタに向けて、軍を進行させてきただと!?
はっ! 国境警備隊の通報によると、我々騎士団の三倍の規模はあると……!
三倍!? 無理だ! 我々の軍備などでは、プロイセンに到底太刀打ち出来ないに決まっている!
ええいっ! 狼狽えるな!! 我々はポスポリタを守る誇り高き騎士団! それが狼狽えてどうする!?
しかし……!
リィズ殿、我々が最強の騎士団とはいえども、三倍以上の敵を前にしてはとても……
戦う前から弱気でどうする!? お前たちに、騎士の誇りはないのか!?
でぇぇぇぇーい! 向こうがその気ならば、叩き斬ってくれるわ! 皆の者! 剣を持てぇっ!
モフモフ!(騎士団長どの!)
おぉ、ヴォイテッカーか! お前もすぐに、戦闘の準備をするのだ!
モフモモフ!(プロイセン軍は強力にして強大!)
モモモフモフモモフ(真正面から立ち向かっては我らでは太刀打ちできますまい)
モッフモモンフ……モンモモフ!(ここは涙をのんで一旦兵を引き……他国からの援軍と共にプロイセン軍と戦いましょう!)
モッフモフモモンガ!(耐え忍ぶ事もまた騎士道なり!)
なるほど! たしかにお前の言う通りだ。さすがだな、ヴォイテッカー。お前こそ騎士の鏡だ!
リィズ殿! ヴォイテッカー殿は一体、どのような事を語っておられるのですか!?
諸君、心して訊くがいい……
彼は、私にこう語ってくれた! こんな腰抜け共には、愛想がつきたぜ! 俺は一匹でもプロイセン軍と戦うと!
おおお――っ!?
モフッ!?(えぇ!?)
ヴォイテッカーもその通りだ! といっている!
モッフ! モモフ!(違います! そうじゃなくて!)
俺一匹でも……やってやる!
モンモフモフモフ!?(待って待って! 私は戦略的撤退をですね!?)
プロイセンの奴らをちぎっては投げちぎっては投げ
モッフ! モッフ! モモンフ!(違います! ほら×! ×! 間違いですって!)
最後はクロスチョップでとどめだ!
クロスチョップですとっ!?
おおっ、なんという勇ましさ……!!
モッフ! モッフ! モモンフ!(違うんですって! ×! ばつ! 間違いなんですって!)
俺について来い! プロイセンの腰抜け共など、俺の手で壊滅してくれる!
おおお――っ!?
よく言ってくれたぞヴォイテッカー!
今こそ徹底抗戦の時! 我々騎士団の誇りをプロイセン共に示すのだ!
感謝するヴォイテッカー、お前こそが騎士の中の騎士!ここに居る誰よりも騎士道を理解している!
これで我々の結束は盤石なものになったぞ!
モフモフ! モフモフモフ!(あああ、なんで通じないんですか! 撤退しようっていってるんですって!)
よーし! それでこそ我らポスポリタの騎士だ! 俺は心から嬉しい! とヴォイテッカーも喜んでいるぞ!
モフモフゥゥゥゥゥ!(ちっがぁぁぅぅぅっ!)
おおっ、ヴォイテッカー殿の雄叫びだー!
なんだか俺も、段々とやる気が漲って来たぞぉっ!!うぉぉぉ――――っっ!
私もだっ! うぉぉぉぉ――――――っ!!
ええい! 私も負けるものかー! うぉぉぉ―――!