今年もやってまいりました一年の総決算、日本シリーズ!
今回出場を決めたのは、混戦のペナントから1位チームが初めてのプレーオフを制したパ・リーグ――北海道日本ハムファイターズ!
そして、メークドラマの再現を狙う阪神の猛追を振り切って優勝を勝ち取ったセ・リーグ――中日ドラゴンズ!
両チームとも初の日本一から40年以上遠ざかっており、日本一にかける意気込みは並々ならぬものを感じます。
果たして今年日本一の栄冠を手にするのはどちらのチームになるのか!?

そこで毎年恒例、日本シリーズの結果を勝手にシミュレート!
開幕より一足お先に戦略プロ野球2006を使ったバーチャル日本シリーズ、ここに開幕!!

第1戦
~開幕 バーチャル日本シリーズ!~

大事な初戦、両チームはシーズン終盤の調子が対照的だったエースを先発に送る。
初回から調子の上がらないドラゴンズ川上に対して、ファイターズ打線が襲い掛かり二塁打で出塁した二番田中 賢を、四番稲葉が繋ぎ1点をもぎ取った。
しかし、悩めるエースを助けるべくドラゴンズ打線が咆える。2回に五番森野の一発で同点に追いつくと、3回に二番井端がフォアボールを選び、三番福留、四番ウッズの打点・打率・本塁打王コンビのバットが火を噴き、2点を追加。
3-1と逆転を許したファイターズは必死に追いかけるが、巧みな継投策の前に快音が響くことはなく、八回になんとか1点を返すも反撃もそこまで、日本シリーズ初戦は投手戦の末に中日ドラゴンズに軍配が上がった。


福留の逆転の一打

第2戦
~八木 八面六臂の大活躍!~

第2戦目も勝利し、この勢いのまま敵地へ乗り込みたいドラゴンズはファイターズ八木の前に打線が沈黙。
対するファイターズは2回、ドラゴンズの山本 昌に対して伏兵の下位打線が奮起。七番鶴岡がヒットで出塁し、八番金子の二塁打で1点を先制すると、九番八木の一、二塁間を破るタイムリーヒットで追加点。
自身の援護で2点をリードした八木は、ランナーを塁に出すものの要所要所を抑えてホームを踏ませず、九回途中無失点で交代し、抑えの切り札マイケルがきっちりと仕事を果たした。
第2戦は八木が投打に活躍し、星を1勝1敗として地元での胴上げの可能性を残した。


八木、バットでも貢献!

第3戦
~大投手リレー~

星を戻した勢いに乗って地元北海道へと戻ってきたファイターズ。
先発投手は、ファイターズ金村とドラゴンズ佐藤 充。
第3戦は1点を巡る攻防。両者共にランナーを出すも後続が続かず、目まぐるしく投手が入れ替わる中、試合は1-1で延長戦へと突入。
延長11回裏、ファイターズは四番セギノール、五番稲葉と連続ヒットで得点のサヨナラのチャンスを迎えると、次のバッターはここまで3戦通してわずか1安打の新庄。ここはファンのために期待に応えたいところ。
そしてドラゴンズ中田の球に食い下がり、5球目のストレートをレフトへ高く打ち上げると犠牲フライ。タッチアップで1点が入り、新庄劇場と言うべきか、最後に美味しいところをかっさらいファイターズが2勝目を手にした。


同点スクイズを決める森本

新庄のサヨナラ犠牲フライ

第4戦
~夢砕く一振り~

ここで勝利して、明日の地元胴上げを実現したいファイターズ。
満を持してマウンドへ登る武田 勝であったが、いきなり初回に二番井端をフォアボールで歩かせると、四番ウッズのヒットで1失点。さらに3回にも三番福留のホームランで1点を奪われてしまう。
しかしその裏、二番田中、三番小笠原の二者連続ホームランでゲームは振り出しに戻る。
武田 勝は打線の援護を受け、立ち直ったかのように見えたがドラゴンズ三番福留、四番ウッズの連続ヒットの後、五番森野に痛恨のフォアボールを与えてしまう。
ノーアウト満塁のピンチに迎えるバッターは六番井上、甘く入ったストレートをはじき返され、4-2とファイターズは再びリードを許してしまう。
ドラゴンズは6回以降を継投策でかわし、最後は岩瀬がきっちりと締めてゲームセット。
ファイターズの地元胴上げは来年に持ち越された。


ファンが待つライトスタンドへのホームラン!

小笠原センターへ特大ホームラン!

第5戦
~王手を賭けての決戦~

ここまで4戦全て投手戦の様相を呈しており、そろそろ観客も打撃戦を望む第5戦。
両チーム無難な立ち上がりで1回を終了。しかし2回、ファイターズ先発立石がツーアウトからフォアボールでランナーを背負い、続く七番英智、八番谷繁の連続ヒットにより1点を失ってしまう。
ファイターズは早々に立石に見切りをつけるも、次の江尻も6回に3連打を浴び2失点。
ここで負けると優勝に王手を掛けられてしまうため必死に追い上げるも、セギノールのソロホームランで1点を返すのが精一杯。
ドラゴンズは8回、9回にも追加点を挙げ6-1で勝負有り。
ついに王手を掛けたドラゴンズは、名古屋へと堂々の帰還を果たす。


好投するマルチネス

第6戦
~そして竜は天へ昇った~

日本一へ王手をかけたドラゴンズはエース川上をマウンドへ。
一方、もう負けは許されないファイターズはダルビッシュに運命をゆだねる。
奇しくも再度エース対決となった第6戦。4回まで互いに譲らず0行進となる中、5回裏に試合が動く。
ドラゴンズはこの回のトップバッター六番井上がフォアボールで出塁すると、英智、谷繁の2連打で2点を先制。さらに川上の送りバントでランナーが進塁する。
一番荒木は打ち取られたものの、井端のタイムリーで3点目。そしてトドメと言わんばかりの福留の一振りに、ファイターズ外野陣はボールを見送った。
このツーランホームランを含めてドラゴンズは一挙5点と、日本一を大きく手繰り寄せた。
7回に1点を追加され、6-0と窮地に追い詰められたファイターズは8回に金子のホームランで1点を返し意地を見せる。
金子に続けと9回にも2点を追加し、その差3点と反撃のムードを漂わせる。
しかし、最後は岩瀬がその望みを断ち切り、金子の打球を井端が冷静にさばいてゲームセット。
2006年プロ野球を制したのは中日ドラゴンズ。実に52年ぶりに日本一の栄冠を手にした。


日本一を決定付ける福留のツーランホームラン!

中日、悲願の優勝!

バーチャル日本シリーズ総評

今回、両チームの投手陣は共に奮闘し、特にシーズン後半で調子を落としていたドラゴンズ川上はランナーを背負っても、要所要所できっちりと抑えている。
ドラゴンズ川上・山本 昌、ファイターズダルビッシュ・八木の4人のピッチングは期待通り素晴らしいものだった。
ファイターズ3戦目に登板した金村であるが、久々の一軍のマウンドでもドラゴンズ打線相手にわずか1失点で守り抜いて3戦目の勝利に貢献しており、予想以上の働きであった。
しかし、打撃に関しては両者はっきりと明暗が別れ、ここが今回の結果に繋がっていると思われる。
ドラゴンズはクリーンナップが爆発し、特に三番福留、四番ウッズはさすがタイトルホルダーというべき仕事をこなし、得点に結びつくバッティングで日本一に貢献している。
また、この二人のバットから快音がなくても、下位打線がフォローしてしっかり得点している。
一方ファイターズは、象徴ともいうべき繋げる野球を行うことができす、ランナーを出しても後続が続かないという場面が多々見受けられた。
また、こういう時に力を発揮してほしいムードメーカー新庄が押さえ込まれたことも、ファイターズの打線が発奮しなかった要因の一つになっているかもしれない。現に彼を慕う森本は1本のヒットも打てていない。
今回のシミュレートではこのような結果で中日ドラゴンズが日本一となったわけだが、これはあくまでシミュレートであり、実際はどう転ぶかわからない。
総合力ではドラゴンズがやや上回っている感があるものの、その差は絶対的なものではない。ウッズへの全敬遠策という情報も流れているが、確かに上り調子のウッズと、福留の2人の主砲を封じ込められればファイターズも勝利を十分狙える。
さらに、ムードメーカーの新庄は不確定要素であり、思いもよらないプレイで全員の度肝を抜くかもしれない。
第1戦、2戦の結果によって、第3戦以降のオーダーが変化する可能性も有る。
このコーナーでも再度シミュレートを行う必要性がありそうだ。