現地では牛島中将指揮の下、兵力の増員と再編を行い、
第九師団・第二十四師団・第六十二師団・
独立混成第四十四旅団などの精鋭で構成された
陸軍第三十二軍が創設され、来るべき対米戦に備えつつあった。
しかし、参謀本部の考えは沖縄戦は
あくまで本土決戦に備える為の時間稼ぎでしかなく、
沖縄本島防衛の中核であった第九師団と、
先制攻撃を行なう筈であった中迫撃砲第五、第六大隊を
沖縄戦直前に転出させてしまった。これにより
沖縄の防衛計画は、積極的作戦から持久戦に
大きく路線変更する事となってしまい、
準備不足と戦力不足の中、牛島中将率いる沖縄守備軍は、
運命の日を迎える事となった。