1941年6月に、ドイツとソビエトが
独ソ不可侵条約を強化すると、本格的にアフリカ・
中東方面への侵攻を開始した。これを受けてアメリカは
対ドイツ戦に専念するために日本との不可侵条約を結ぶと、
極東方面の艦隊を一部大西洋方面に移動させた。
この日米不可侵条約は
アジア方面に限定したものではあったが、政策の違いから
ドイツとの同盟を拒絶して孤立した日本にとっては、
強敵であるアメリカを公にアジアから排除できる、
非常に有益な条約であった。またアメリカにとっても、
欧州各国への協力は対ドイツ戦に限定していたため、
条約締結について欧州各国に配慮することなく、
容易に極東方面の安全性を固めることができた。