この状況を打開しようと日本海軍では、
石炭から石油を造り出す人造石油造りの研究を
大正時代から始めていた。人造石油とは、石炭を液化して
それに水素を添加することによって得られる方法や
ガス化した上で触媒により石油を合成する方法などがあった。
この技術は、同じく石油資源の乏しかった
ドイツが技術的に進んでいた。
陸軍でも1938年にようやく燃料としての石油に
着目し始め、翌年になって陸軍燃料廠が設立された。
これは海軍から20年も遅れてのものであった。
陸軍でも人造石油の研究やハイオクタン化
ガソリンの開発等を始めて、民間企業や学会等から
技術者・研究者を国家総動員法を適用して集めた。
また広大な満州の大地を掘削して油田の発見に当たるために
作井部隊を集めて満州各地に向かわせた。