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◆第1回

 12月14日にめでたく発売となった、「現代大戦略2007」ですが、お楽しみいただいているでしょうか?
 このコーナーでは、基本的なプレイ方法を説明しながら、「現代大戦略2007」の魅力を紹介していきます。
 第1回となる今回は、体験版にも収録されている定番の北朝鮮シナリオ「北朝鮮制裁発動・海上封鎖への道」です。


【マップ全体図】
海上封鎖への道     難易度★★☆☆☆
 非難決議にもかかわらず、核実験を強行した北朝鮮だったが、今や四面楚歌の状況下に置かれている。
 より厳しい内容の制裁決議案が採択され、以前から北朝鮮への送金停止などの金融制裁を各国に働きかけていた米国は、日本とともに、輸出入の禁止、金融資産凍結などの制裁手段を次々と取り始めていた。
 ほどなく北朝鮮は、「我が国の主権・生存権を脅かす存在には断固とした態度を示す。武力行使も辞さない」との緊急声明を発表。臨検態勢を取る日米の艦艇に、北朝鮮の魔の手が忍び寄るのだった。


 このシナリオでは、BLUE陣営、RED陣営、GREEN陣営、YELLOW陣営の4陣営が登場し、それぞれの陣営は以下の様な関係になっています。

BLUE陣営 自衛隊(プレイヤー陣営)
GREEN陣営 海上保安庁(味方陣営)
YELLOW陣営 米軍(味方陣営)
RED陣営 北朝鮮軍(敵陣営)

 つまり自衛隊、海上保安庁、米軍の同盟軍と北朝鮮軍が争う、3対1のシナリオマップです。もちろんプレイヤーは自衛隊の指揮官という立場でゲームをブレイします。北朝鮮の暴挙に対して、今こそ自衛隊の実力を見せ付けてやりましょう!

 マップの全体図を見ると多数の北朝鮮軍(赤)の部隊が存在し、難易度が高いような印象を受けますが、北朝鮮軍の部隊のほとんどは、「輸送艦」「偽装漁船」等の貧弱な兵器で数を水増ししているだけなので、適切な進軍を心がければ、簡単に勝利することができます。
 左画面は、シナリオ開始直後の状態です。
 マップ上の明るい部分が索敵範囲内、暗い部分が索敵範囲外を表しています。(索敵範囲とは、部隊がマップ上で把握している範囲を表したもので、レーダー等を搭載し、広い索敵範囲を持つ部隊もあれば、逆に狭い索敵範囲しか持っていない部隊等その範囲は兵器に様々です。)
 索敵範囲外は、視界が行き届かない範囲を表しており、どの種類の敵部隊がどの位置に存在するか等の情報は全く解りません。
 逆に索敵範囲内の敵部隊は画面上に部隊アイコンが表示され、兵器の種類や位置等を確認することができます。
 「現代大戦略2007」の初期設定ルールでは、画面上に部隊アイコンが表示されている敵部隊にしか攻撃を行えないため、索敵範囲を広げることが基本的ながらも最も重要な行動となります。

 索敵範囲を広げるのに最も有効的な方法は、広い索敵範囲を持つ兵器を活用することです。このシナリオでは、早期警戒機「E-2C ホークアイ」と偵察機「RF-4EJ改」が広い索敵範囲を持っています。まずは、早期警戒機「E-2C ホークアイ」を移動させて見ましょう。


【図1:6階層全ての索敵範囲を表示】

【図2:海上のみ索敵範囲表示】

 早期警戒機「E-2C ホークアイ」を移動させたところ、広い索敵範囲を確保することができました。(図1)
 しかし、ここで注意しなければならないことがあります。索敵範囲は、「超高空」「高空」「低空」「地上」「海上」「海中」の6階層に分かれているのです。よってマップでの表示上は、広い範囲を索敵範囲内に収めていても、全ての階層において、広い索敵範囲が確保されているとは限りません。


【図3:表示パネル索敵変更ボタン】

 索敵範囲の階層切り替えは、画面左上「表示パネル」の索敵の横にある各ボタンをオン・オフ切り替えることで行うことができます。(図3)
 試しに、索敵範囲の表示を「海上」のみに変更したところ、索敵範囲の表示がかなり狭くなってしまいました。(図2)

 早期警戒機「E-2C ホークアイ」の兵器情報を確認してみると、超高空の索敵範囲は「8」高空は「10」
 低空は「4」地上は「3」海上は「3」海中は「1」となっています。
 つまり、早期警戒機「E-2C ホークアイ」は、超高空や高空を飛んでいる「爆撃機」「戦闘機」等の兵器を発見するのは、得意ですが、地上の「戦車」や海上の「艦船」等を発見するのは苦手なのです。
 (図1)の画像では、かなりの範囲が索敵されているように見えますが、実際に広い範囲が索敵されているのは超高空と高空のみで、地上や海上は(図2)の画像程度の範囲しか索敵されていません。
 一見して、敵がいないからといって安易に部隊を進軍させると、敵陣営の艦船と鉢合わせしてしまう可能性があるわけです。発見していない敵陣営の部隊と移動途中に鉢合わせすると、「遭遇戦」となり、一方的に攻撃を受けてしまいます。よって、移動の安全を確保するためにも十分な索敵行動は必要不可欠と言えます。

 しかし、早期警戒機「E-2C ホークアイ」では、海上に十分な索敵範囲を確保できません。
 そこで、偵察機「RF-4EJ改」の出番となります。

 偵察機「RF-4EJ改」は、海上の索敵範囲が「8」もあり、海上の敵陣営艦船を発見するのに十分な索敵能力を持っています。そのかわり、超高空や高空の索敵範囲に関しては「2」や「3」程度とあまり期待できません。
 しかし、この弱点は超高空や高空の索敵範囲が広い、早期警戒機「E-2C ホークアイ」と共同で索敵を行うことで克服できます。早期警戒機「E-2C ホークアイ」偵察機「RF-4EJ改」でそれぞれの索敵範囲の穴を埋め合うわけです。
 航空機を索敵する早期警戒機「E-2C ホークアイ」と艦船を索敵する偵察機「RF-4EJ改」、その両方で索敵を行えば、海戦における索敵は万全のように思えますが、実はまだ索敵できない兵器が存在します。
 海戦の影の主役「潜水艦」です。このシナリオには、北朝鮮軍の兵器として、潜水艦「ロメオ」が登場します。
 潜水艦は海中を移動するので、非常に発見し難い兵器です。しかし、艦船に対して強力な打撃を与えてくるため、早い内に発見しておかなければ、痛い目を見ることになります。
 しかし、早期警戒機「E-2C ホークアイ」と偵察機「RF-4EJ改」の海中索敵範囲は「1」、潜水艦を索敵する能力は皆無と言っていいでしょう。そこでズバリ、潜水艦を索敵するのに適している兵器が対潜哨戒機なのです。このシナリオには、自衛隊の対潜哨戒機「P-3C オライオン」が登場します。実際には1機100億円くらいする高価な兵器で、自衛隊は約100機も所有しています。

 対潜哨戒機「オライオン」は海中の索敵範囲が「4」もあり、海中高度の索敵においては、十分な能力を持っています。
 つまり、このマップでは航空機を索敵する早期警戒機「E-2C ホークアイ」、艦船を索敵する偵察機「RF-4EJ改」、潜水艦を索敵する対潜哨戒機「P-3C オライオン」という3種類の兵器を使い分けて索敵を行う必要があるわけです。

 少し、難しそうに感じるかもしれませんが、高度階層を意識するのと、しないのとでは、敵陣営部隊の発見率にかなりの差が生まれます。「うまく敵陣営部隊を発見できない」、「十分に索敵を行っているつもりだが、見えない位置にいる敵陣営部隊から攻撃を受けることがよくある」という方は、高度階層を意識して索敵を行ってみてください。
 索敵を行って敵陣営部隊を発見した後は、それらの部隊を攻撃して撃破するだけです。このシナリオでは、敵陣営の部隊に比べて自陣営部隊の兵器性能がかなり勝っていますので、索敵行動さえしっかり行えば、敵部隊の撃破は簡単でしょう。

 さて、敵陣営部隊と戦闘を行っていると、黄色や緑色の部隊アイコンがマップ上を移動しているのに気が付くかと思います。これらの部隊は、同盟陣営の部隊です。同盟陣営とは、プレイヤーが操作を行えないものの、味方として一緒に戦ってくれる陣営のことです。このマップには、「海上保安庁」と「米軍」が同盟陣営として登場します。
 特に「米軍」は、現実と同じく強力な兵器を保有しており、マップの左側の戦闘を全てまかせっきりにしても全く問題ありません。同盟陣営が登場するマップでは、それらの部隊の戦力も頭に入れて作戦を組み立てるとより良い戦果を得ることができます。
 あるていど敵陣営の部隊を減らしたあとは、勝利条件を満たすため、元山の北朝鮮司令部を破壊して制圧する必要があります。幸い、元山は比較的海に近い位置に存在しますので、揚陸や空挺を行わなくても、海上からの艦砲射撃のみで制圧することが可能に見えます。
 しかし、だからといって元山付近に艦船を考え無しに移動させるのは極めて危険です。いくら装備が貧弱な北朝鮮と言えども、それなりの防衛体制を敷くことは可能です。
 元山付近の敵配置は左図のようになっています。海岸線を覆う赤色の枠が見えるでしょうか?これは、「迎撃範囲」と呼ばれる地域で、この赤枠の中に移動した部隊は、兵器性能にかかわらず一方的に攻撃を受けてしまいます。
 さらに、迎撃範囲の範囲内にいる間は、移動を行わなくても何らかの行動を行うたびに一方的な攻撃を受けてしまいます。(行動を行わずに、自陣営フェイズを終了した場合も攻撃を受けます。)

 このシナリオには、対艦ミサイル車両「CSS-2-2 シルクワーム」と対空ミサイル車両「V-75」が北朝鮮軍の部隊として登場します。対艦ミサイル車両は艦船を迎撃する能力を、対空ミサイル車両は航空機を迎撃する能力を持っており、それらが迎撃範囲を重ねるようにして海岸線を防衛しているため、艦船、航空機ともに、海岸線に近づくのは困難と言えます。しかし、逆に言えば、航空機や艦船以外の兵器は迎撃範囲内でも攻撃されずに移動を行えるわけです。
 そこで、注目したいのが揚陸艦「おおすみ」です。現時点において自衛隊が保有する中では最も大きい艦船ですが、この兵器は、「浅瀬」に乗り上げて搭載している部隊を上陸させることができる艦船です。
 揚陸艦「おおすみ」も艦船であるという性質上、対艦ミサイル車両「CSS-2-2 シルクワーム」の迎撃範囲内に移動するのは危険といえますが、元山の北東に迎撃範囲に含まれていない「浅瀬」(左図、黄枠内)が存在します。
 この地点に揚陸艦「おおすみ」を移動させ、搭載されている陸上兵器を上陸させましょう。

 しかし、上陸地点と元山の間には山岳地帯が広がっており、陸上部隊は元山付近まで進行する事が出来ません。
 そこで、自走砲「99式自走榴弾砲」で上陸地点のすぐ上に展開している対艦ミサイル車両「CSS-2-2 シルクワーム」(左図、黄枠内)を撃破しましょう。
 この部隊を撃破することにより、元山付近の海上兵器に対する迎撃範囲が消滅しますので、元山に対して、艦砲射撃を行える位置まで艦船を移動させるようになります。
 あとは、元山付近の「北朝鮮司令部」を索敵して破壊するだけです。

 「現代大戦略シリーズ」のシナリオは生産を行えない分、索敵や進攻ルートの選定を慎重に行う必要があります。今回、紹介した「揚陸作戦」によって迎撃範囲を突破する戦術は、限りなくある答えの中の一つでしかありません。
 ゲームとして割り切ってしまえば、部隊の損害も顧みず迎撃範囲に次々に突っ込んでいって弾切れを発生させるのも、作戦と言えば作戦なのです。ぜひ、固定概念に捕らわれず、自分なりの攻略方法を見つけてみてください。それが「現代大戦略シリーズ」の醍醐味なのです。

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